風船（ふうせん）・バルーン（balloon(s)）についてまとめています。

このページで扱うのは「風船」です。 🎈
主に 20 世紀後半で普及するゴム風船と、
その後普及するようになったアルミ製・ビニール製の風船となります。
バルーンの意味として「熱気球」や「吹き出し」の意味もありますが、
このページでは触れません。

風船の中でもヘリウムを用いて浮かぶ風船の情報が多めです。
したがって、風船向けのヘリウム情報も含まれます。

ページ運営者は風船が大好きで、風船を持っていたいから、
ふうせん という名前を使い続けています。パソコン通信の時代からです。

1990 年代に「ふうせん ねっと」という
風船専門の Web サイトを構築していました。

特に 2000 年前後はヘリウム風船がよく提供されていたのですが、
近年は一気に減少して、あまり見かけなくなってしまっています。
その理由などを自分なりにまとめてみたくなり、ページを作ってみました。

 ふうせん🎈 FU-SEN のほしいもの | Amazon.co.jp

目次

風船の歴史

ここでは主にゴム風船の歴史となります。ヘリウム関連もあります。
年代不明により記載できずにいる項目もあり、順次追加していく予定です、
一方、あえて触れないようにしている内容もあります。ご了承下さい。

もっと幅広く掲載している内容としては、他に Wikipedia なども存在しています。

 風船の歴史 | Wikipedia

1900～1939 年ごろ

戦前、およそ 100～130 年くらい前です。

アドバルーンが考案され、実用化されるようになります。

 アドバルーン | Wikipedia

特に戦前の昭和初期は東京などの都市部で数階建てのビルの上に
アドバルーンを浮かばせている映像があります。
当時は東京でも数階建てなので、空が見える状況で、アドバルーンは効果的でした。

 【戦前】1930年代の東京　Japan Tokyo 1930【字幕付き】

ゴム風船は存在しているようですが、当時はまだ高価で、
代わりに日本では紙風船が普及しています。

その後第二次世界大戦に入ります。

1950 年代

第二次世界大戦は 1945 年に終戦し、その後の動きとなります。

1960 年代

1964 年に東京オリンピックが開催されています。
開催式でバルーンリリース（風船飛ばし）が行われています。

1970 年代

1970 年、大阪で 日本万国博覧会 が開催されています。（いわゆる 大阪万博）
開会式でバルーンリリース（風船飛ばし）が行われていますが、
建設段階でも何度かバルーンリリースが行われています。

1980 年代

1980年後半～1990年前半はバブル期で、
人口の少ない地域でも秋のお祭りなどでヘリウム入りの風船が配布されています。

また、記念式典ではバルーンリリース（風船飛ばし）が行われるようになります。

一方個人商店がまだ多い時代で、いわゆる駄菓子屋に
どうぶつキャラクターが描かれているゴム風船も売られていたりした頃です。

1990 年代

バブル期の景気から個人商店から大手企業まで風船配布をよく行っています。
東京などの都市部だと週末どこかで風船を配っているのを見かける時期です。

 1990 池袋 東側から西側までの散策散歩 土曜日 Ikebukuro Saturday Walkabout 901208 | YouTube

この頃からアルミ製やビニール製の風船もよく見かけるようになります。
ゴム風船に比べて高価ではありますが、ヘリウムが抜けにくく、
カラー印刷が容易にできる、様々な形状が作れるなど、デザインに優れています。

1998 年には長野オリンピックが開催されていて、
開会式では鳩型の紙風船が飛ばされています。

2000 年代

この頃はアメリカで備蓄されていたヘリウムが販売された影響で、
ヘリウムは比較的安値で制限なく輸入できていた時期になります。

 hitomi / INNER CHILD | YouTube

音楽業界も CD を中心として売上のあった時期で（1998 年ピーク）
効果的にたくさんの風船を使っている MV も登場しています。

2004 年に Facebook、2006 年に Twitter（現在の X）がはじまり、
SNS の時代へ突入します。YouTube も 2005 年ｆごろにはじまっています。
また 2007 年に iPhone が発売され、スマートフォンの時代へも突入し、
様々な事がアプリをインストールしてできるようになり、
誰でもインターネットへ素早くアクセスできる環境が整います。

2010 年代

中国産の製品がよく輸入されるようになります。
元々安値で、その分明らかな低品質を感じる商品がある中、
ゴム風船と関連商品は販売可能な品質になってきていて、
日本でも中国産の風船が出回るようになってきています。
400L 以下の個人向けヘリウムガス入り容器も中国産で輸入するところが発生します。

2020 年代

ヘリウム不足の影響は続き、高価になっている事もあり、風船配布が減っている中、
断捨離の流行もあって、リサイクルショップが活気つき、
一部風船を配布するところが発生します。ヘリウム風船を配布するところもあります。

他国の風船状況

アメリカ合衆国

ヘリウム輸出国の一国であるアメリカ合衆国では、
日本よりもヘリウム利用がしやすい国でしたが、
だからといって、日本よりもヘリウムが多用されていたか？というと、
YouTube で当時の映像を見る限りだとそうでもなかったようにも見えます。

中国・インドなど

国によっては風船に水素を入れているところもまだあります。
水素は生成しやすく、購入しても安値だからです。
最近までアメリカがヘリウムの原産国だった事もあり、
交流がない国ではヘリウム入手が難しい状況が続いています。

インドの地域によっては、水素を生成して風船に入れて販売しているところもあり、
そのための容器も所有している事があります。
ただし日本では劇物扱いされている化合物を使用するため、同じ方法は使えません。

他にも観測用地球としてヘリウムから水素に変更する事で
コストを下げている、という動きも海外では発生していたりします。
（これについてはヘリウム不足の影響もあるでしょう）

Q&A

風船全般の質問は日本バルーン協会のサイトなどもご参照下さい。

 よくある質問 | 日本バルーン協会

ヘリウム不足が長引いてるように感じますが、なぜですか？

 その後のヘリウム事情について | 東京農工大学荻野研究室

日本でのヘリウム輸入量は 2001 年がピークで、
2006 年まではほぼアメリカのみの輸入になっています。
この頃はアメリカで備蓄していたヘリウムも提供されているので
比較的安く制限なく輸入できた時代になります。
実際 2000 年ごろはヘリウム風船の配布などが盛んに行われている時期です。

しかし、その後ヘリウムの輸入が減っていて、
その分カタール等から輸入するようになってきています。
2022 年はカタール 54%、アメリカ 41% です。
それでも全輸入量はピーク時の半分にも満たない状況で、
このうち風船・飛行船用途でのヘリウムガス輸入は 1% と
特に低い値となっています。
（ガスの他用途では半導体 25&・光ファイバー 15%など）

アメリカからの輸入が減っている要因はいくつか重なっています。

• シェールガスの移行に伴いヘリウムが得られなくなっている（2000 年ごろから）
• 備蓄ヘリウムが 2018 年になくなった（2013 年までに一般販売終了）
• 供給元が老朽化するなどでトラブルが発生し遅延が発生した（主に 2012～2013 年）
• 流行病による物流の変化によって運搬費用が高騰している（2020 年ごろから）
• 中国などで需要拡大により、日本が買い負けている（最近の傾向）※

※ 一部のヘリウムガス（バルーンタイムを除く 400L 以下の容器入り）は
　 中国で生産・注入されて日本などへ輸送されているので、
　 近年は中国からのヘリウム輸入が増えてきている事になります。

風船関連以外にもヘリウムがあるものと思って使用する前提で作ってしまい、
そちらにヘリウムを優先的に使用しなければいけなくなっているので、
風船用途には回せなくなっている、という状況もあります。

最近風船配布を見かけなくなった気がするのですが……

多くの場合、風船配布のターゲットは子供向けです。
理由はシンプルで風船を欲しがる子供が多かったからです。
これは日本に限らず、世界共通のようです。
更に 1980 年代ごろまではヘリウム入りの風船を入手するのも
風船の自動販売機や定期的に配布している場所を除き、
年に数回見かけられれば良い状況でもあり、珍しい存在でもありました。

そこで日本の企業では、風船に店名、イベント・商品名などを印刷し、
配布する事で、「歩く広告」になってもらうようにしました。
これが風船配布の原理です。

第二次世界大戦以前ではアドバルーンが使われていましたが、
戦後はビルが高層になり目立たなくなった事、
また原産国であるアメリカからヘリウムが輸入できる状況になった事もあり、
アドバルーンに代わって風船を配布するスタイルが定着したように見えます。

しかし、近年ではこのスタイルは崩れてきています。

• ネット通販の普及で、風船や関連商品がどこに居ても入手できるようになった。
  また買い物のために外出しなくても良くなり、店舗へ足を運ぶ機会が減少している。
• ヘリウムガス容器やバルーンショップ・大手雑貨屋などのヘリウム入れサービスで
  個人でもヘリウム風船の入手が可能になった。
• ネットではなくても、100 円ショップ・コンビニ・雑貨屋など、
  風船を扱う店舗が増え、身近な店で風船を安く素早く購入できるようになった。

他に次のケースもありますが、代案があります。

• 少子化により子供が減っているので、子供向けに風船配布するメリットが減っている
  一方で 40 歳代以上のバブル期を経験している人は風船配布でもらう経験が多く、
  今でも風船好きな大人も一定数いる状況なので、 子供に限定せず風船配布をすると良い。
  大人も入手しやすくするため、印刷はキャラクターではなく、ロゴなどにしてしまう手段も。
• ヘリウム不足で風船向けのヘリウムガスボンベでの入手が困難になっている。
  棒付きで風船を配布すれば良い。 ただし、ヘリウム向けの商品しか容易できておらず、
  印刷風船と風船につける棒を業者が一緒に扱っていない場合があるようなのが現状の課題。

最近のヘリウム風船は浮力が長持ちするようになったのはなぜですか？

近年ゴム風船に変わりアルミ製やビニール製の風船が普及するようになりましたが、
これらの素材はヘリウムガスが抜けにくい素材になっています。
東京ディスニーリゾードのミッキーバルーンで
ゴム風船が透明のビニールに入っていますが、これも同じ理由です。

一方、ゴム風船よりは風船の素材・制作代と印刷代で原価が上がるため、
風船の価格が上がった一因になっています。

風船が爆発する映像を見たのですが……

2024年12月に中国で配布した風船が爆発する映像が
2025年1月以降 SNS で拡散され、ニュース報道もされています。
ごの後も中国で風船が爆発する映像が SNS やニュースで拡散されています。

これらの風船に入っているのは 水素 で可燃性ガスです。
日本ではこのような水素の風船が元となった爆発事故をすでに 1953 年経験しています。

 銀座チョコレートショップ爆発火災 | Wikipedia

現在日本での風船向けガスは必ず不可燃性の ヘリウム が使われています。
そのため、日本で配布される風船でこのように爆発する危険性はありません。
安心して手にして下さい。

これはガスボンベの外見でも確認でき、水素ガスは赤いボンベになっていますが、
ページ運営者は風船配布などで今まで見た事がありません。

中国やインドなど、国や地域によっては
ヘリウムの入手が困難だったり、費用の面から
風船に水素を入れているケースが今でもあるので、ご注意下さい。

風船用のヘリウムで声を変えられますか？

風船用のヘリウムガスは純度が高く、酸欠を起こす恐れがありますので、
風船やガス容器から直接吸わないで下さい。 \

声を変える商品は専用に売られています。ヘリウム以外に酸素も含まれています。
これでも対象年齢が設定されています。子供の使用はしないで下さい。

ヘリウムガスの容器を処分したいです

ヘリウムガスボンベを通販でレンタルした場合は、
通常返却元への伝票も同封されています。
指定の宅配業者に連絡して返却できます。
伝票がない場合は、レンタル元へ問い合わせてみて下さい。

10L に満たないヘリウムガス缶は
形状からスプレー缶同等の扱いでゴミ処分できます。

400L 以下の容器は穴を空けて中身を完全開放する事で圧力をなくす事ができます。
その後スチール缶として処分できます。
しかし、地域によっては処分困難な場合があります。
この場合は輸入販売元へ元払いで宅配して処分できます。
この説明書も含まれている事が多いですが、
紛失している場合は次のとおりです。容器を確認の上へお送り下さい。